越後屋の『学び合い』帳

東京の高校国語科教員。『学び合い』と授業とクラスと。

立候補

全員達成

授業においては、どんな形であれ、目標がなければなりません。目標を設定すれば、どんな形であれ、それに対応した評価がなければなりません。
さらに、それが『学び合い』に基づく授業であれば、どんな形であれ、「誰一人見捨てられない集団にする」という理念を具現化した目標になるはずです。もしそういう目標になっていないなら、その授業は残念ながら『学び合い』に基づいていないと判断せざるを得ません。
その具現化の典型が「全員達成」というフレーズです。

厳密な評価方法

本当に全員が課題をクリアしたかどうかを厳密に評価する方法は、あまりバリエーションが多くありません。実技教科や、普通教科でも技能に関する課題ならば、見た目に可否がわかりやすいので比較的容易に評価することもできます。生徒の相互評価をしても、ブレを抑えることはできます。
しかし、思考力・判断力・表現力に関する課題については、やはり教員による評価が最善だと思います。厳密にやるならば。厳密さにある程度の目をつぶるならば、例えば採点基準を示して相互評価させるのもいいでしょう。どちらを採用するかは、その時の優先順位によります。

みなし全員達成

毎回の授業で、教員による厳密な評価をするのは、とても大変です。持ち時数が極度に少ない場合でない限り、本当に大変です。
そこで、例えば生徒をランダムに指名して、その子が答えられれば全員達成とみなす、という方法が「とりあえず」考えられます。
実は、私はランダム指名に頼りすぎた時期があって、とても反省しているのです。改めて確認すると、ランダム指名には以下のようなデメリットがあります。

  1. 全員達成と見なしているだけである。
  2. クリアしていない生徒がいてもわからない。
  3. そこで、「指名を逃れる」ことが一部の生徒の関心事となる。
  4. 実際に逃れられるという事実がクラスで共有される。
  5. 「指名されるのは苦役である」という空気が醸成される。
  6. チャレンジを敬遠する価値観が形成される。

たまたまランダム指名されなかった生徒がズルをしたわけではありませんが、努力や意欲が正当に評価されていないという意味で、「正直者が馬鹿をみる」という現象が起こってしまうのです。

ゆるやか立候補

最近は「誰か立候補しない?」と生徒に聞いてみて、いればその生徒に答えてもらうし、いなければ私が簡単に解答モデルを示すことが多いです。
頑張れそうなら頑張ってみる。
「今回は勘弁して〜」というなら、それもアリ。
やはり、自分の跳ぶハードルの高さは、できるだけ自分で決めたほうが良いのです。

大事なことは

「立候補するとそのぶん得をする」という実感を持ってもらうことです。チャレンジに肯定的な空気を少しずつ醸成していくことです。