越後屋の『学び合い』帳

東京の高校国語科教員。『学び合い』と授業とクラスと。

質問づくり

意義はすごーく感じつつ、これまで手が出せなかった「質問づくり」。

たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」

たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」

しかし、

  • 答が出せればいいから教材文は読みません。
  • 先生、答は何ですか。
  • 合ってるかわからないんですけど、
  • 正解じゃないかもしれないから考える気になれない。

といった「率直な」意見を受けて、踏み出すことにしました。まず授業者が勇気を出さなければなりません。
そもそも「課題研究」を必修科目に置いている学校ですから、正解よりも問いに目が向けられるようになってもらいたいところです。

今学期から「大福帳」をお休みして、200字作文に問いと思考を書いてもらうことにしました。大変なのは覚悟して、次回までに読んで個別にフィードバックします。形成的評価を授業に位置付けたつもりです。それぞれの奮闘の跡に触れて、大変だけど元気をもらっています。

抱え込む

自分の得意分野について、抱え込むということはあまり見られないように思います。
どちらかというと、「参ったなぁ」「苦手だなぁ」と感じる事柄の方が、一人で抱え込んでしまうケースは多いようです。

ということは、抱え込む人は「責任感が強い」のではなく、「嫌なことを後回しにする」人なのではないでしょうか。

あるいは、嫌なことを他者と共有するのを疎むという点では、「苦手なんだよね」が言いにくいわけですから、(悪い意味で)プライドが高いのかもしれません。

授業の準備

ようやく、少しだけ、授業のことを考えられるようになった。

僕自身にも着地点が見えていないから、授業を考えると冒険に旅立つような気がしてくる。しかし、いつも勇んで出かけるものの、結局は近所の公園に着いて、「ここいいよね」などと言ってお茶を飲んでいる。結局、日々の授業はそういうものなのかもしれない。修学旅行は3年に一度で十分だ。

ただ、見慣れた近所の公園の中でふと季節の移ろいを感じたり、気にも留めなかった草花や虫を眺めてみる気になったりしたら、人生は潤うに違いない。
そういう授業でありたい。

比喩ではない

「肩身が狭い」
「首が回らない」
という言葉があります。

整体をはじめとした身体的アプローチが視野に入るようになって、これらの言葉が比喩ではないということがわかりました。

身体のありようは、心のありよう。

「障害」

「障害」という言葉は本当に使いづらく、丁寧に誠実に伝えようと心掛けないと、時として深刻な誤解を招きかねません。
私はこの言葉をすんなりできないという意味に捉えています。
例えば「障害物競走」は、コースにいろんな邪魔者があるせいですんなり走れない競技です。
まずは自分自身の認識をしっかり方向づけるところから始めたいものです。

教育実習その2

また別の教育実習生。化学。指導担当の先生と一緒にご参観くださいました。

せっかくなので、「小テスト」「大福帳」「単元の課題」とユニットが進むたびに、システムとその意図を解説しました。もちろん第一義的には、それらは当の生徒と共有していなければなりませんから、表向きは生徒に向けて改めて目的を語ったのですが、裏には実習生に向けての解説も含んでいたのでした。

授業後、質問を受けました。「今井先生の授業における『教師の役割』は何か、考えながら参観してごらん」という事前指導があったというのです。
実習生が「これで合っていますか」と尋ねてきたので、

  • それがポイントだと感じたこと自体に意味があること
  • そのポイントが彼自身の今後の授業や生徒理解をアップデートすること
  • 正解を探ろうとする必要はなく、自分で考えることに価値があること

をお伝えしました。ちょっと驚いていました。

教育実習

本校でも実習が始まりました。生物科の指導の先生*1が、私の授業は何をおいても見学するように指導なさっているようで、すでに初日の月曜と水曜の2回も参観に来てくれました。

水曜の授業は、シャベリカ*2を用いたグループトーク。会話そのものを目標とした授業でした。今後を見据え、これが必要だと判断したのです。目標は「全員が不愉快なく会話を続ける」としました。1セッション6分という設定です。

実習生は「実習でエンカウンターが見られるとは思いませんでした」と言って、興味深く参観していました。生徒に話しかけてよいか了承を求められたので、初めは許可したのですが、見ていると特定の班にべったりになって彼自身がトークの中心になってしまいました*3。様子を見ながら、キリのいいところで、離れてもらいました。

制限時間になったら、ワールド・カフェの要領で、

  1. 班に残る人を決め
  2. 先の班とメンバーが重複しないように
  3. 1分以内に

席替えをします。「たった1分ですが、これも大事な課題である」ということを伝えます。

制限時間直前、おおむね課題クリアかと思ったところ、ある班でメンバーの重複が判明しました。結果的に、生徒が一人、自分の座る席がわからなくなってしまいました。実習生が「君、ここに座って」と空いている席を指さし、その場は「解決」しました。私は全体を進行しながら、クラスと実習生に、それぞれどういう声かけをしようか、考えました。

受け止める力量のある実習生だったので、彼には率直に「対応としては最悪である」と伝えました*4。「たしかに席替えをすることは、あの場面での目標ではあったけど、席替えが彼らの人生のゴールではないよね。介入しすぎると、大事なチャンスを邪魔しちゃうことになるんだよ」と説明すると、「そんなレベルで考えているのですか」と目を丸くしていました。こちらの意図をまっすぐ受け止めてくれる、優秀な方です。そこで、「私が各班の会話を一切聞こうとしなかったのはなぜだと思うか」という問いを示しました。いい意味でモヤモヤした様子でした*5

残念なことに、この後で行事が立て込んでしまい、モヤモヤの顛末を聞くことができていません。モヤモヤさせたからには、責任をもって付き合おうと思います。

*1:同じ学年を組む先生です。

*2:シャベリカ | COPORA(コポラ)から購入できます。

*3:その班にべったりになる気持ちもわかるのです。そういう意味では、考えながら参観してくれていたのだと思います。

*4:彼自身を否定したのではありません。念のため。

*5:モヤモヤが「不快」な人もいるので、誰にでも問いかけられるわけではありません。難しいところです。