越後屋の『学び合い』帳

東京の高校国語科教員。『学び合い』と授業とクラスと。

ちょこっとボランティア

水拭きが必要なほど廊下が汚れていたので、掃除が終わった後でしたが、ボランティアを募集しました。
「ちょこっとボランティア募集! やってもいいよという人は雑巾を持ってきてー」
男子が5.6人来てくれて、一緒に廊下を水拭きしてくれました。おかげで、廊下は元の輝きを取り戻しました。
こういう場面でサッと反応してくれる人がいる。本当にありがたい限りです。

【現代文】城の崎にて

課題ステップ制

今回から、課題を「ステップ」ごとに分類しました。正確には、分類はこれまでもしていたのですが、「ステップ1」というようにプリントに明示するように直しました。課題ごとの目的を、これまで以上に意識してもらいたかったのです。

  1. ステップ0 語彙
  2. ステップ1 正確に読むための課題
  3. ステップ2 正解のない問いに自分なりの答えを出す課題

「ステップ1」は、教科書の脚問や「学習の手引き」を、ほとんどそのまま使いました。

解釈のアブダクション・モデル

以前の投稿でも触れた「解釈のアブダクション・モデル」を、とにかく反復しています。
e-chigoya.hatenablog.jp
わざわざ「解釈」をするのですから、正解が一つに決まるような問いでは意味がありません。
今回は、

蜂、ねずみ、いもりの死について、「自分」の死生観に影響を与えた順位をランキングし、根拠と理由を説明しなさい。

という課題を考えました。小動物の三つの死は、もちろんすべてが「自分」*1の死生観に影響しています。それを、敢えて順位付けしろというのです。
この場合の評価規準は「説明できるかどうか」となります。400字の説明文を書いて提出してもらい、3段階で評価します。
この課題に進んだクラスでは、とにかく議論が尽きないようでした。提出物を読むのが楽しみです。

*1:生徒ではなく作中人物

採点基準

自己採点できる力

以前のエントリでも書きましたが、「採点できること」は教科の学力を測る上で非常に有効な指標だと考えています。
e-chigoya.hatenablog.jp
教科書学力の範囲内に限れば、生徒自身が問題集を解き、解説を読んで自己採点できる=答案の可否を判断できる状態が、もっとも「学力の高い」状態だと言えるでしょう。

採点基準

それを可能にするためには、普段から自分の答案を採点する場面を設けなければなりません。また、採点基準はあらかじめ提示しておかなければなりません。
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模試直前講座

自習室に引き続き、模試直前講座のチラシを作りました。
e-chigoya.hatenablog.jp

今回はなぜかフランスです。
とにかく「勉強して当たり前」という雰囲気を定着させなければなりません。

【古文】無常観

世界観に特化する

古文の単元に入りました。
単語や文法は、いよいよ受験だという時に勉強すればよいと思います。そう割り切って、古典の世界観に特化して単元を計画しました。「いよいよ受験だ」という時に単語帳や参考書を開く気になれるかどうかは、古典の世界観に馴染んでいるかどうかだと考えてのことです。

教材は『徒然草

教科書(東京書籍「国語総合」)の配列に従えば、教材は『徒然草』。収録されている章段は

  • 陸奥守泰盛は
  • 丹波に出雲といふ所あり
  • 神無月のころ
  • 長月二十日のころ
  • 今日はそのことをなさんと思へど

という5篇です。

単元目標

教科書の単元名はザックリと「随筆」。扉には、「筆者のものの見方や感じ方を押さえよう」的なことが書かれてあります。確かに、筆者は何かを見て、何らかのことを感じたはずですから、何を見て、どう感じたかを整理することは、随筆を読む上では必要最低限の活動といえるでしょう。
さらに、「何を見るか、どう感じるか」には、〈無常観〉というフィルターが大前提として存在しているはずです(本当は、対象に触れた段階だけでなく、執筆する段階でもそのフィルターは起動しているのですが)。
そこで、

  • 目標「〈無常観〉という観点で5篇の共通点を説明する」
  • 教材「上記5篇すべて」

としました。教科書会社はわざわざバラエティに富んだ収録にしているのですが、敢えてそれを〈無常観〉にこじつけて読め、というわけです。「整合性を保ったままこじつける」というのは、実は非常に高度な言語操作ですから、学習としての難易度は低くはありません。たとえ「こじつけ」であろうと、ある観点の元に共通性を見出すという読み方(解釈の仕方)を意識的に訓練することには、一定の価値があると思われます。

課題

各章段の内容を端的に把握するために、単純な課題を付けています。こういう時には、T/Fクイズや表を埋めるような情報整理課題が適しています。「何を見て、どう感じたか」が押さえられればいいのですから、解答が収束する課題でサクサク進めることが肝心です。体育の授業でサッカーをやるのに、準備運動でヒィヒィ言ってしまうとしたら、やはり授業デザインが間違っているのだと言わざるを得ないでしょうから。

評価

1学期に少し触れたきり放置してしまったKP法で、プレゼンでもしてもらおうかと考えています。ペアでプレゼンを作り、 ペア同士で相互に発表してもらえば、1回の授業の中で終わりそうです。
評価基準は

  • A「整合性のある説明ができている」
  • B「整合性の点で怪しいところがある」
  • C「整合性が明らかに取れていない」

あたりになるでしょうか。

導入の学習

実は、上記の『徒然草』の教材から直接〈無常観〉を導くのは、ちょっと無理があります。どれも「これぞ無常観」という内容ではないのです。
そこで、導入として『方丈記』「ゆく河の流れ」を読むことにしました。これを読むことを通して〈無常観〉の概念を獲得してから、『徒然草』に入ったのです。
普通、『方丈記』は上位科目の「古典B」に収録される教材ですから、その点でいささかの違和感と面白味を個人的には感じたのですが、当の生徒には何の関係もないことなので、授業は淡々と進んでいきました。それで当然だし、それが自然なことだと思います。

そうは言いつつ文法も扱う

現代語訳そのものは学習活動の中に組み込まないものの、ただ訳を配布するだけでは「現代語と古語のつながり」はピンと来ないで終わってしまいます。そこで、原文を適宜、文節や単語に区切って(この匙加減は本当に「適宜」)、傍訳を付けたプリントを作りました。
原文には、重要単語や文法事項に傍線を引いてあります。個々の文法的な意味がわかれば、あとはそれを足し算していけば訳せるというグランドルールを、実際に読みながら実感していける…ように作ったつもりですが、どうなることやら。
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実感に至るほどの時間はないかもしれません(ひと単元で実感できるなんて虫のいいことは考えていません)。

台風一過

校内規定の3分前に警報が解除になり、本日は完全なる通常営業になりました。
8時25分時点での登校者は36人中30人。半数に満たないクラスがある中で、圧倒的な数字を出し、職員室で報告したらどよめきが起こりました。
9時20分の再点呼では、全員が無事に登校を果たしました。もちろん、驚異的な出席率でした。
台風の最中でも来たくなるクラスなんでしょうか(笑)。

憑き物落とし

「生徒指導は憑き物落とし」と、先月くらいに、ふと思い至ったのです。
それ以来、本当に久しぶりに京極夏彦を読み返しています。

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

憑き物は、きちんと落とさないと、余計に悲惨なことになります。